今週から一気に気温が下がり、冬に向けての洋服が視野に入ってくるようになりました。
kink sakae 2Fも納品の8割ほどが終わっているので、私はこの中から「今冬は何を着ようかな〜」と、毎日頭を悩ませています。
やっぱり冬はニットを着て、暖かく過ごしたい。
ということで、ニットあるかな〜と思いながら店内を見てみるのですが……なんか、あまりありません。
しまった……。
どうやら、どのブランドも今シーズンはそこまでニットを作っていなかったようで、店頭にはニットがあまりない状態です。
まあ、ニットがなくても冬は他にもいろいろ選択肢があるし、いいか。
むしろ、今お店にあるニットは厳選された内容になっているので、これはこれで選びやすくていいのかもしれません。
と、前向きに考えています。

Albert Studded – ACOUSTIC JUMPER
Color : Camel
Price : ¥134,200 (tax inc.)
その厳選された内容から、今回特にオススメしたいのが、Wales BonnerのACOUSTIC JUMPERです。
ケーブル編みのニットって、皆さんも一度は見たことがあると思います。
少しクラシックで、温かみがあって、ものによってはちょっと素朴な印象もある。
私もこういうニットは昔から好きなのですが、今回のACOUSTIC JUMPERは、そういった昔ながらのケーブルニットの魅力を残しながら、どこか現代的で、妙に上品に見えるところがすごく良いなと思いました。

キャメルの色味もそうですし、しっかりと立体感のある編み地もそう。
決してシンプルなニットではないのに、全体として見ると不思議と静かに見えるんですよね。
今シーズンのWales Bonnerは「Morning Raga」と題され、インドの文化や音楽、建築などを着想源のひとつとしています。
その中で紹介されているのが、インドを代表する建築家、Balkrishna Doshiの言葉。
「空間全体から平和と静けさが立ち上がり、空気さえも穏やかでありながら、生き生きとしている。」
これを読んだとき、なんとなくこのニットのことを思いました。

というのも、ここでいう「静けさ」って、何もないことではないと思うんです。
むしろ、素材や形、光、線といったいろいろな要素が存在しているのに、それらがうまく調和することで生まれる静けさ。
ACOUSTIC JUMPERのケーブル編みも、まさにそんな感じです。
編み地にはかなりはっきりとしたリズムがあって、同じパターンが繰り返されることで陰影が生まれ、近くで見ると結構表情があります。
でも、キャメルのウールという柔らかな素材がそれを包み込むことで、決してうるさくならない。
いろいろな要素があるのに、全体としては静かに見える。
そこが、このニットの面白いところだと思います。

そして、ACOUSTICという名前も面白いところです。
今シーズンのWales Bonnerでは、インド古典音楽やジャズなど、音楽も重要な要素のひとつになっています。
音楽にリズムがあるように、このニットにも編み地によるリズムがある。
もちろん、そんなことを考えながらニットを着る必要はまったくないのですが、こうやって考えてみると、ただのケーブルニットとは少し違って見えてくる気がします。



デニムに合わせて少しラフに着てもいいですし、トラウザーズに合わせて少し品良くまとめてもいい。
ジャケットのインナーに入れて、ケーブル編みを少し覗かせるのも良さそうです。
昔からあるものを、そのまま懐古的に見せるのではなく、素材や色、シルエット、そして背景にある文化まで含めて、今の感覚で見せる。
そういうところが、Wales Bonnerの面白さなのかなと思います。
難しい話をしてしまいましたが、結局のところ、こういうニットを一枚持っていると、冬はかなり楽しいです。
暖かいですし。
そして何より、普通のケーブルニットを着るより、少しだけ気分が上がります。
シバタ